屋上の防水工事は何年に一度必要?施工時期の決め方や耐用年数を紹介


皆さんこんにちは。東京・神奈川エリアで防水工事・改修工事などを手掛けている東亜化成株式会社です。


建物の屋上は、雨風や紫外線にさらされる過酷な環境です。屋上部分からの水の侵入を防いで建物を守るために、屋上の防水工事はとても重要です。防水工事は工法によって耐用年数やメンテナンス方法が異なります。適切なメンテナンスのタイミングや補修の必要があるサインについて紹介します。




■屋上防水工事はいつ行えばいい?施工時期の決め方とは



屋上の防水工事はどういったタイミングで再施工や補修が必要となるのでしょうか。耐用年数と発生が考えられる劣化の症状について紹介します。



・耐用年数

施工方法によって多少前後はありますが、防水工事の耐用年数は一般的に10~20年で設定されており、施工後10年でメンテナンスを行うのがお勧めです。メンテナンスを怠ると建物本体に水が回ってしまい、建物内部に雨漏りが発生する、構造躯体が濡れてしまうといった重大な損害を引き起こしてしまいます。適切なタイミングでメンテナンスを行えるよう予定しておきましょう。


・劣化の症状が出たとき

下記のような症状が現れた場合は、メンテナンスが必要なサインとなります。早急に専門業者に点検やメンテナンスを依頼しましょう。


∟色褪せ

色が褪せること自体には問題はありません。しかし、表面の色褪せがはじまったあと、徐々にひび割れや剥がれが起こり始めます。劣化が始まったサインと捉えておきましょう。


∟ひび割れ

乾燥収縮やコンクリートの中性化によって、トップコートや防水層にひびが入る症状です。ひび割れは、表面部分からはじまり徐々に内部へ広がっていきます。表面だけのひび割れであれば浸水することはありませんが、防水層まで達するとヒビ割れ部分から内部に水が入り込んでしまうので、早めに対応することが必要です。


∟剥がれ

防水層が劣化すると表面が剝がれてきます。特にシート防水の場合ではつなぎ目の粘着力が低下したことによる剥がれが起きやすいです。

剥がれた部分から水が入ると建物内部に達してしまうため早急なメンテナンスが必要です。


∟膨れ

工事施工から時間が経つと、防水シートがよれたり、部分的に膨れが浮き出たりすることがあります。内部に水分が残ったまま施工したことや、防水層の下に結露が発生することも原因となります。ウレタン防水の塗膜やシート防水やアスファルト防水の継ぎ目に発生することが多く見られ、シートの隙間から雨が入り込んで雨漏りの原因となります。


∟水たまり

屋上の床のゆがみや施工不良、排水機能の低下によって水たまりができることがあります。排水溝を清掃することで解消される場合もありますが、常に水が溜まっている状態でいると防水層の劣化を招きます。シートを重ねて勾配を付けるといった対策が効果的です。


∟雑草が生える

屋上の排水には、養分や汚れがたくさん含まれています。種子が風に乗って運ばれてくると、メンテナンスを行わなければあっという間に雑草が生えてしまいます。コンクリートの塀や道路からでも芽を出すことができるほど、植物の根は生命力が強いので防水層を破断することがあります。表面に溜まった土部分にのみ根が張っていて軽い力で抜けるのであれば抜いてしまって清掃すれば問題ありませんが、防水層に達している場合、無理に引き抜くことで防水層に穴をあけてしまう危険性があります。


∟雨漏りが起きる

既に防水層が破断して建物内部に水が回っている場合、雨漏りとして室内に漏れ出してきます。雨漏りが起きてしまった場合、既に建物の構造材も水に浸かってしまった状況です。雨漏りの原因となる水の侵入経路を特定することは難しく、大規模な点検や修繕が必要となるケースが多くあります。防水工事だけでなく、水の侵入によって劣化した構造材や断熱材の入れ替えが必要となるケースもあります。早急に修繕を行いましょう。


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■屋上防水工事の耐用年数と寿命



屋上防水工事には様々な工法があります。代表的な4つの工法について耐用年数や寿命について解説します。



・ウレタン防水:8年~12年

屋上の下地の上にウレタンの防水材を塗布する工法です。

室外機などの設置物が多い建物や住宅など作業のしづらい狭いスペースでも施工可能です。屋上の防水工事では、天候の影響で完全に乾燥させることが難しいため、通気性に優れた「通気緩衝工法」で行います。

下地の上にウレタン防水材を塗布して、さらに補強材とウレタン防水材を塗り込んで防水層を厚くとる「密着工法」と専用シートの上からウレタン防水材を塗布して通気をよくする「絶縁工法」があります。

「密着工法」は、液状のため凹凸のある場所や複雑な屋根形状にも対応可能で、「絶縁工法」はひび割れが激しい屋上のメンテナンスの場合でもきれいに仕上げることが可能です。

どちらも安価で施工できますが、気温によって硬化速度が変わることと耐久性が高くないためトップコートの塗り替えなどこまめなメンテナンスが必要なことに注意が必要です。



・シート防水:10年~15年

屋上の下地にシートを接着剤で貼りつける工法です。主に1.2mm~2mmのゴムや1.5mm~2mmの塩化ビニールシートが使われています。耐久性や強度が高いので、太陽光の発電パネルを設置する場合にもお勧めですが、シートの素材によっては歩行に適さない場合があるので、施工場所に合わせた素材選びが必要です。

下地に塗布した接着剤の上に防水シートを貼りつける「接着工法」と、下地の上に緩衝材を敷いて金具やビスで固定したあと、防水シートを貼りつける「機械的固定工法」があります。

シート防水は、既存の防水層に重ねて施工できる可能性があるため、工期の短縮を見込むこともできます。

しかし、シートのつなぎ目やシートの端部分は剥がれが起こりやすく、専門的な技術が必要なので丁寧な施工を行う安心できる業者選定が大切です。



・FRP防水:10年~15年

下地にポリエステルやビニルエステルの液状樹脂を塗布し、ガラス繊維で強化したプラスチックを塗布する工法です。一般住宅のベランダやバルコニーで使用されます。FRPとは、「Fiberglass Reinforced Plastics」の略で、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などに、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックのことです。浴室のバスタブに使用されるほど防水性に優れた素材で、軽量なため建物への負担を減らすことができます。耐久性と耐荷重性に優れており、駐車場として利用する屋上への施工も可能です。また、コストが安く、施工期間も短いため、どんなタイプの建物でも施工可能です。


》防水工事の流れ~FRP防水の場合~



・アスファルト防水:15年~25年

下地にアスファルトを浸透させた防水用シートを貼って、上からコンクリートで押さえる方法です。防水層に厚みをつくることやアスファルトの優れた接着性と防水性を生かした工法のため、防水性能が高い、耐用年数が他の工法の2倍程度ある、施工の不具合が出づらいといったメリットがあります。ただし、重量があるので建物の構造に制限があるほか、工期が長く必要、コストが掛かるといったデメリットがあります。

アスファルト防水には、主に3つの工法があります。


① 最も歴史のある工法で220〜270℃まで加熱して熔解されたアスファルトを利用して防水シートを張っていく「熱工法」
② 常温で使用できる改質アスファルトルーフィングというシートを張り重ねる「常温粘着法(冷工法)」
②  ガスバーナーでシート裏面のアスファルトを炙りながら張り重ねていく「トーチ工法」


「常温粘着法」と「トーチ工法」で使用される改質アスファルトとは、アスファルトに合成ゴムやプラスチックを混入して性能を高めたものです。「熱工法」で使用される通常のアスファルトに比べて、柔軟性や施工性に優れ、アスファルト特有のにおいが気にならないことがメリットです。


》防水工事の流れ ~アスファルト防水の場合~



■長持ちさせるには防水だけでなく、メンテナンスが重要



屋上の防水を長持ちさせるためには、工事施工後のメンテナンスが重要となります。日頃から行う必要のあるメンテナンスと長持ちさせるために定期的に行うメンテナンスについて解説します。



・排水溝の清掃

排水溝に土やゴミが詰まってしまうと雨水がスムーズに排水されません。防水層のつなぎ目といった防水の弱い部分から水が入り込んで、防水の劣化を引き起こす可能性があります。3ヶ月に1度程度のスパンで定期的な清掃を行いましょう。

また、雑草が生えてしまった場合は、根が排水溝を貫通している可能性もあるため、無理やり引き抜くと破損してしまう恐れがあります。必ず専門業者へ依頼して対応をお願いしましょう。



・トップコートを塗布する

トップコートは、防水層を守る保護剤のことです。屋上防水の劣化を防ぐとこができますが、紫外線によって劣化するので3~5年スパンで再施工するよう計画しておきましょう。




■まとめ



屋上の防水工事の耐用年数と修繕を検討するべきサインについてと、施工方法による耐用年数の比較について紹介しました。防水層の劣化が進むと、建物内部に水が入り込んでしまいます。定期的なメンテナンスや点検を行って劣化の兆候を見逃さないようにしましょう。また、劣化を見つけた場合には、適切な再施工や修繕を行って、建物に悪影響を及ぼさないよう心掛けましょう。




■関東の防水工事なら東亜化成にお任せください!



東亜化成株式会社は、東京を拠点に一般住宅や工場の防水工事を行っています。

昭和33年の創業以来60年以上の長い歴史と実績をもった会社です。

主力である防水工事以外にも、工場全般の補修工事や床の滑り止め対策など安全対策工事もご依頼可能です。規模に関わらず幅広い工事に対応しており、近年は大手メーカーの自社工場の工事を施工した実績もあります。


丁寧な現地調査をモットーとして、ご依頼箇所の点検と調査に加えて、ご依頼箇所以外の部分で、お客様が気になっている箇所、心配な箇所、また、今すぐ補修が必要な箇所や近いうちに修繕を考えるべき箇所についても、点検調査を実施して、都度合わせてご提案させていただきます。

防水に関して、気になる点やお困りごとがありましたら、お気軽に東亜化成にご相談ください。



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