工場の防水工事前に知っておきたい!失敗しないために確認すべきポイントとは?

皆さんこんにちは。東京・神奈川エリアで防水工事・改修工事などを手掛けている東亜化成株式会社です。


建物の屋上や屋根、バルコニーなどの雨や紫外線に晒される部位を保護して、雨水の建物内への侵入を防ぐことを目的とする工事のことを防水工事といいます。

これにより構造部分を守り腐蝕を防ぐことができるので、防水工事は建物全体の劣化を避けて耐用年数を延ばす上でも非常に重要な役割があります。


特に工場では建物内に高額な機械や設備が数多くあるだけでなく、防水工事によって工場内で製造している製品の品質を保つことができるので、定期的な修繕が欠かせません。


そこでこの記事では、防水工事の種類や防水工事を行うタイミング、工事を依頼する前に確認すべきポイント及び防水工事の施工業者を選ぶポイントなどを詳しく紹介したいと思います。




■防水工事の種類と選び方



防水工事にはさまざまな種類があり、それぞれの種類によって工法や素材が異なります。

そこで工場の用途や設備、建物の構造などによってどの様な種類の防水工事が適しているのかが異なります。



・防水工事の種類

防水工事にはさまざまな種類がありますが、まずは主な防水工事の種類とその特徴について紹介します。


1.シート防水

シート防水とは、塩化ビニールや合成ゴムで作られたシート状の材料を用いて防水層を作る工法になります。

使用されるシートはあらかじめ工場で作られたものなので、防水機能及び品質が安定しているのがメリットです。

また施工面積が広くなるほど工事費が割安になる傾向があるので、工場や倉庫などの広い陸屋根(平らな形状の屋根)の防水工事を行う場合には、コストパフォーマンスに優れています。

そして既存の防水がシート防水の場合には、その上からシート防水で改修することができるのでさらに費用を抑えることができます。


ただしシートを貼り合わせて防水層を作っていく工法なので、複雑な形状の屋根や換気口などの障害物がたくさんある屋根には施工が困難になります。

またシートの継ぎ目部分の水密性に問題が発生しやすいのがデメリットになります。

耐用年数:10~15年程度


2.アスファルト防水

アスファルト防水とは、合成繊維不織布に液状に溶かしたアスファルトを染み込ませてコーティングしたシート状のルーフィングを貼り重ねて防水層を形成する工法です。

熱工法、トーチ工法、常温工法(冷工法)などに分類されます。

古くから使用されている防水工法で信頼性が高く、中~大規模の陸屋根タイプの工場や倉庫などで広く採用されています。

イニシャルコストが安い割に耐用年数が長いことがメリットといえます。


ただし施工方法によっては施工時に煙やアスファルト臭が生じてしまうので、住宅地での施工には注意が必要です。

また熱工法による施工には大掛かりな設備が必要になります。

そのため特に加熱を必要とせず臭いや煙の発生が抑えられる常温工法(冷工法)が近年では多く用いられています。

耐用年数:15~25年程度


3.FRP防水

FRPとは繊維強化プラスチックの略で、ガラス繊維を混ぜたプラスチック樹脂のことを指します。

FRP防水はウレタン防水と共に「塗膜防水」と呼ばれる工法のひとつになります。

液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした防水です。

したがって出来上がった防水層には表面に継ぎ目がなく、優れた防水性能を発揮します。

また塗膜の硬化速度が早いため、何層も塗り重ねる仕様でも1日で施工を完了させることが可能です。

防水層は軽量かつ強靭で、耐熱性・耐食性・耐候性にも優れています。


ただし他の防水と比較すると高価で、伸縮性がないため地震などで下地が動くとそれに追従できなくてひび割れが生じてしまうことがあります。

また紫外線の影響を受けやすいため、定期的(5年に1度程度の頻度)に表面のトップコートの塗り替えが必要になります。

耐用年数:10~12年程度


4.ウレタン防水

液体状のウレタン樹脂を塗り付けて、塗布した材料が化学反応して硬化すると、ゴム状で弾性のある継ぎ目のない防水膜が出来上がります。

これをウレタン(塗膜)防水といいます。

メンテナンスとして屋上防水を行う場合などに広く採用されていて、遮熱機能などを持たせることも可能です。

また液体の塗料なので、シート防水では施工が困難な複雑な形状の場所や段差がある場所でも施工することが可能です。

そして工法には、密着工法、メッシュ工法、通気緩衝工法などがあり、下地の状態や予算に応じて使い分けます。


一方、塗膜の厚みを確保するのが難しく、品質管理の面で難があります。

またウレタン防水を紫外線から保護するため、FRP防水と同様に定期的(5年に1度程度の割合)にトップコートの塗り替えが必要になります。

耐用年数:8~10年程度



・防水工事の種類の選び方

防水工事では後で不具合が発生することがないように、防水する場所や状態、建物の構造に合わせて適切な種類を選ぶことが重要になります。


工場は鉄骨造の大きな建物が多く建物に動きや収縮があるので、その動きに対応できる防水が望ましいといえます。

したがって建物の動きに追従できるシート防水やアスファルト防水、ウレタン防水などの柔らかい素材の防水が適しています。


一般的に工場やビルの屋上の改修工事で床に固定されているものが少ないようであれば、シート防水がおすすめです。

一度に多くの面積を防水することが可能なので、余計な日数やコストをかけることなく、工事期間中の雨による影響を最小限に抑えることができます。

ただし防水する面が複雑な形状の場合には施工が困難になります。


そしてコストと耐用年数を重視するのであれば、アスファルト防水がおすすめです。

信頼性が高く、防水性だけでなく重さにも耐えられる特性を持っています。

ただし施工するにあたってはアスファルトを溶かす際に臭いや煙が発生するので、事前に近隣住民に告知することや工事中の近隣への配慮が不可欠となります。


さらに複雑な形状の場所や障害物が多い場所であれば、ウレタン防水がおすすめです。

継ぎ目なく仕上げることができるので、塗膜の厚みを適切に確保することができれば継ぎ目の隙間から雨水が侵入してしまうこともありません。


一方、FRP防水は軽量で丈夫であるものの硬くて伸縮性がないために、面積が小さな木造住宅のバルコニー防水などに良く使われています。




■防水工事を行うタイミングと依頼前に確認すべきこと


防水工事は単に雨水の侵入を防いで建物の耐用年数を延ばすだけでなく、工場の場合には建物内にある機械・設備の故障を防いだり水漏れによる漏電を防いだりすることで、工場の稼働を止めないようにする重要な役割があります。

したがって防水の劣化が進んで雨漏りが発生する前に適切なメンテナンス工事を行う必要があります。

防水工事を行った方が良いタイミングは以下の通りです。



・劣化のサインが見られるようになったとき

屋上などの防水面にトップコートの色あせやひび割れ、膨らみ、剥がれ、破れなどのトラブルが発生している場合には、早急に防水の改修工事を行う必要があります。

また屋上に水たまりがある場合にも、勾配不良などで排水機能が低下していることが考えられます。

そのまま放置しておくと防水層の劣化を促進して雨漏りを引き起こす原因になるので、早めに是正しておく必要があります。



・防水の耐用年数が経過したとき

防水には種類に応じてそれぞれに耐用年数があるので、耐用年数を過ぎたら防水工事が必要になります。

防水層は前回の防水工事から10年ほど経過する頃から徐々に劣化が始まるようになるので、たとえ異常が見られない場合でも早めに改修工事を行っておくことが大切です。


さらに防水工事の工法や仕様を決定する上で、事前に確認しておくべきことがあります。

施工業者に任せっきりにしないためにも、工事を依頼する前に自分でも確認しておきたいポイントは次の通りです。



・現在の防水の種類、仕様

新築時または前回の防水工事を行った時の図面や仕様書、見積書、工事内訳書などが残っていれば、現在どんな種類の防水になっているのかを確認しておくことが大切です。



・既存の防水の劣化状況

既存の防水の劣化状況を把握しておくことで、適切なタイミングで工事を行うことができるようになります。



・排水ドレイン周りの状況

排水ドレイン周りにゴミや土、雑草、水たまりなどがないかどうか、排水機能に問題がないかどうかなどを確認しておくと良いでしょう。



・屋上設備の有無

屋上に空調設備や貯水タンク、配管などがあると防水工事に支障をきたすことがあるので、事前に確認しておく必要があります。



・パラペットの状態

陸屋根(平らな屋根)の端部にあるパラペットの立ち上がりや笠木などは雨漏りの原因になりやすい部分なので、現在どんな状態なのかを自分でも確認しておくことをおすすめします。




■防水工事の施工業者を選ぶ上での注意点



防水機能が低下した箇所を適切に修繕して工場の稼働に支障がないようにするためには、施工業者選びが非常に重要になります。


施工業者を選定するにあたっては過去の施工実績が豊富であるかどうか(工場での施工実績があるかどうか)や、自社で施工しているかどうか、「防水施工技能士」などの有資格者が在籍しているかどうか、などを確認することが大切です。


また複数の業者から相見積もりを取得して各社の見積書を比較することで工事金額の妥当性をチェックすると共に、アフターサービスや工事保証の有無を忘れずに確認しておきましょう。




■まとめ



建物に雨漏りを発生させないようにするためには、適切な時期に防水工事を行うことが不可欠といえます。

しかし陸屋根を採用している工場や倉庫などでは、屋上にさまざまな設備が設置されていたり配管が通っていたりすることが多いので、防水工事の工法選択に制約があったり、設備の一時撤去などが発生したりしてコストアップに繋がるケースがあります。

したがって事前に屋上の状態などをきちんと把握した上で、単に安いだけではなく最適な提案をしてくれる業者を選択することが大切です。




■工場の防水工事から補修工事まで、すべて東亜化成が承ります!



東亜化成は東京を拠点とし、主に一般住宅や工場の防水工事・補修工事を行っている会社です。昭和33年から60年以上にわたって、安定した活動を続けてきました。


建物の規模を問わず対応でき、シート防水からシーリング工事、雨漏り補修に工場の大規模修繕まで、幅広い工事に対応しております。床の塗装や滑り止め対策など、工場の安全対策工事も可能です。最近は大手電力会社の工事も行っております。


施工の際はまず現地調査を行い、現場の状況やご希望に応じた最適なプランを策定いたします。ご依頼箇所以外にも問題が発見されれば、都度補修をご提案できるのが強みです床のトラブルをはじめ、工場に関するお困り事がございましたら、ぜひ東亜化成にご相談ください。



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