安全性や生産性にも影響します! 工場の床塗装の必要性や塗料の種類を紹介


皆さんこんにちは。

東京・神奈川エリアで防水工事・改修工事などを手掛けている東亜化成株式会社です。


皆さんの工場では、定期的な床塗装を行っていますか? 床塗装は美観の維持だけでなく、工場の安全性や生産性にも大きく関わっています。もし劣化が見られたら、すぐに塗装工事を行わなければなりません。また、なるべく長持ちさせるための工夫も必要です。ここでは工場の床塗装の役割や塗料の種類、長持ちさせるためのポイントについて解説します。




■工場の床塗装はなぜ必要なの?



工場の床塗装は、美観を維持するためのものだと考えている方も多いでしょう。そのため、床塗装の劣化・剥がれが目立ってきても、「業務には関係ないから」といって放置されてしまうケースは珍しくありません。


しかし、工場の床塗装は非常に重要な役割を果たしており、劣化した状態を放置すると業務に支障をきたす可能性があります。床塗装の主な役割は以下の2つです。



・安全性向上

工場の床は、作業員や台車の重量や通行による摩擦、水・お湯、蒸気、高熱、薬品などに日々さらされ、とてもハードな環境に置かれています。それらから床を保護するのが、塗装の重要な役割の1つです。


もし塗装が剥がれた状態を放置すると、床は大きなダメージを受けて劣化し、ひび割れや凹凸が発生するでしょう。これらは作業員の歩行の妨げとなり、転倒事故や搬送している資材・製品の破損などを招くおそれがあります。作業員の安全を守るためにも、床はしっかり塗装して劣化を防がなければなりません。


また、特にひび割れや凹凸が発生していなくても、剥き出しの床は滑りやすいものです。防滑機能のある塗料で塗装すれば、滑りにくく転倒しにくい床を作ることができます。



・生産性向上

床の劣化が影響を与えるのは、安全性だけではありません。ひび割れ・凹凸が発生している床や滑りやすい床の上では、常に足元を気にしながら作業をしなければならず、作業効率が大きく低下します。仕事のミスも増え、製品の品質も低下するでしょう。


また、工場では床にラインを引き、通路・在庫置き場・機械の設置場所などをわかりやすく示しています。もし塗装の劣化によってラインが消えてしまえば、動線がわかりにくくなるのに加えて整理整頓もしにくくなり、作業や清掃に余計な時間がかかるようになるでしょう。


しっかり床塗装が施され、ラインが明確に引かれていれば、こうしたトラブルは防ぐことができます。つまり、床塗装は生産性を向上させ、工場の経営にも影響を与えているのです。


その他にも、防塵効果による異物混入対策や耐荷重性・耐衝撃性アップ、床の汚れ防止など、床塗装はさまざまな役割を果たしています。もし床塗装に劣化が見られたら、早めに再塗装するのが望ましいでしょう。


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■床塗装に使われる塗料の種類



床塗装に使われる塗料には、実にさまざまな種類があります。色や価格だけでなく機能も異なるため、現場の状況に合わせた塗料で塗装工事を行うことが大切です。床塗装に使われる代表的な塗料の特徴を見ていきましょう。



・エポキシ樹脂

エポキシ樹脂は最も一般的な塗料のひとつです。耐摩耗性や耐衝撃性、耐薬品性、耐油性などに優れており、中には帯電防止機能を備えたものもあります。仕上がりもシームレス(継ぎ目がないこと)なので美しく、乾燥も早く、しかも比較的安価であることから、工場をはじめ学校・病院・公共施設といった幅広い施設で採用されています。


その反面、耐久性や耐熱性では他の塗料に劣るのが欠点です。中には耐熱仕様の製品もありますが、そうでないエポキシ樹脂の対応温度は60℃までで、高温になる場所には向いていません。さらに、0℃以下の気温や湿度60%以上の環境では施工できないという性質もあるため、注意が必要です。


もし工場で使用する場合は、耐久性を補うため2倍の厚みで塗装するといいでしょう。また、作業現場では使用できなくても、事務所や廊下などでエポキシ樹脂を使用するという方法もあります。できる限りコストダウンしたい場合におすすめです。



・ウレタン樹脂

ウレタン樹脂は、エポキシ樹脂よりもやや高価な塗料です。その分、強度や耐久性、耐衝撃性、耐薬品性などはエポキシ樹脂よりも優れており、十分な耐熱性もあります。


大きな特徴は、弾性があるのでクラック(ひび割れ)の発生が少ないことです。重量物の通行や重い作業機器の設置にも長期間耐えられるため、多くの工場で採用されています。加えて、水性塗料の場合は溶剤が必要なく、臭いが気になりません。臭い移りが厳禁の食品工場などでも使いやすいでしょう。


ただし、下地処理が不十分な場合だと剥離が起こりやすい点に注意が必要です。また、製品によっては汚れが付着しやすい場合があります。湿度60%以上では仕上げ作業ができず、施工翌日までに乾燥させるには室温が15℃以上必要といった性質もあるため、やはり環境に応じて使い分ける・施工スケジュールを整えることが大切です。



・アクリル樹脂

アクリル樹脂は、主な塗料の中で最も高価です。その分、性能も非常に優れており、耐久性は何とエポキシ樹脂の約5倍。耐摩耗性、耐薬品性、絶縁性、そして美観性にも優れ、美しく強い床を作ることができます。


また、施工後1時間程度で硬化するので、施工箇所は即日使用可能です。塗装工事をする際は工場を止めなければならず、スケジュールの調整が難しいのが課題ですが、アクリル樹脂塗料を使えば長時間工場を止める必要がありません。工事可能な時間が限られている場合でも、施工できるのが魅力です。よく使われる場所としては、各種工場の他にクリーンルームや手術室などが挙げられます。


デメリットは、やはり価格が高価であることです。また、強度や耐久性は非常に優れているのですが、鋭利な物体が落下した場合に傷がつきやすいという弱点があります。さらに、90℃以上の熱湯などがかかると膨れが生じやすいことから、高温にさらされやすい場所の施工には適していません。




■工場の床を塗装してもすぐに剥がれてしまうのはなぜ?



工場の床塗装においてしばしば発生するのが、「せっかく塗装したのにすぐに剥がれてしまった」というトラブルです。耐久性が高い塗料を使っているにもかかわらず、短期間で塗膜が剥がれてしまうケースもあります。なぜこのようなことが起きるのでしょうか?


最も多い原因は、下地処理が不十分であることです。床の下地処理を十分に行わない状態で塗装しても、塗膜がしっかりと密着しないため、すぐに剥がれてしまいます。特にウレタン樹脂は、下地処理が不十分だと剥離しやすい性質があります。


したがって、短期間での剥がれ・劣化を防ぐためには、経験豊富で下地処理から丁寧に施工してくれる、床塗装の専門業者に依頼することが最も大切です。しかし、コストの削減などを理由に自社で塗装したり、安いだけで技術力のない業者に依頼したりするケースは少なくありません。


その場合は、目先の施工費用は安くなるかもしれませんが、短期間で塗膜が剥がれてしまいます。結果として、短期間で塗装工事をやり直さざるをえず、かえってコストや手間がかかってしまうのです。長期的なコストを削減する意味でも、安全で作業しやすい工場を作る意味でも、床塗装工事は信頼できるプロに依頼しましょう。




■工場の床塗装を長持ちさせるポイント



常に多くの負荷がかかっている工場の床塗装は、壁や天井と比較しても消耗・劣化が早い傾向にあります。少しでも塗装を長持ちさせるためには、正しい方法で塗装工事を行うだけでなく、さまざまなポイントに配慮する必要があります。そこで、以下の3つのポイントを意識しておきましょう。



・濡れた場合はすばやく拭く

工場の床用の塗料は基本的に防水性を備えていますが、水をはじめとする液体を完璧に弾いてくれるわけではありません。床が水や油、薬品などで濡れた状態を放置すると、塗膜の下にそれらが入り込んでしまい、剥離の原因となります。液体が染み込んでしまわないよう、床が濡れたらすばやく拭くようにしましょう。



・定期的なメンテナンスを行う

汚れや水濡れは塗装を劣化させる原因となるため、床の清掃は毎日しっかりと行う必要があります。それに加え、定期的なメンテナンスも大切です。


床は常に多くの負荷にさらされているために、ちょっとしたきっかけで塗膜が傷ついたり穴が空いたりすることがあります。たとえ小さな傷や穴でも、そこから水や汚れが浸入すれば、床材を劣化させてしまいます。


そのため、定期的に床のメンテナンスを行い、微小な傷や穴でもしっかりと補修することが大切です。それ以外のタイミングでも、明らかに問題のありそうな傷や穴を発見したら、すぐに補修工事を依頼しましょう。



・環境や用途に適した塗料を選ぶ

床塗装の塗料は、単純に高性能なものを選べばいいわけではありません。一口に工場といっても、生産している製品や環境はさまざまで、床を劣化させる要因も異なります。水、熱湯、高温、湿気、薬品、油、砂糖、火花、そして車両の通行による荷重。これらすべてに対して完璧な耐性を発揮できる塗料は、基本的にありません。


そのため、自社の工場にどのような塗料が適しているのか、よく検討した上で選ばなければならないのです。加えて、塗膜の厚みによっても強度や耐久性が変わってくるため、どの程度の厚さにするのかも検討する必要があります。


また、工場内のゾーン分けも重要です。たとえば、作業員が歩き回る通路と、大型機械などを設置する場所では、床に与える負荷が大きく異なります。前者は耐摩耗性、後者は耐荷重性に優れた塗料が適しているでしょう。通路・作業スペース・保管スペースといったゾーン分けを明確にしておくと、塗料の使い分けがしやすくなり、各所に最も適した塗料で施工することができます。




■まとめ



工場の床塗装は美観の維持だけでなく、安全性や生産性の向上という重要な役割を果たしています。機能を維持するためにも定期メンテナンスを行い、床塗装の劣化・剥がれを発見したら、すぐに修繕することが大切です。


また、環境に合わせた塗料選びや下地処理など、配慮すべき点はいろいろあります。最も大切なのは、実績豊富で信頼できる塗装業者に施工を依頼することです。工場の床を適切に塗装し、安全で働きやすい環境を作り上げましょう。


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■工場の防水工事から補修工事まで、すべて東亜化成が承ります!



東亜化成は東京を拠点とし、主に一般住宅や工場の防水工事・補修工事を行っている会社です。昭和33年から60年以上にわたって、安定した活動を続けてきました。


建物の規模を問わず対応でき、シート防水からシーリング工事、雨漏り補修に工場の大規模修繕まで、幅広い工事に対応しております。床の塗装や滑り止め対策など、工場の安全対策工事も可能です。最近は大手電力会社の工事も行っております。


施工の際はまず現地調査を行い、現場の状況やご希望に応じた最適なプランを策定いたします。ご依頼箇所以外にも問題が発見されれば、都度補修をご提案できるのが強みです。床のトラブルをはじめ、工場に関するお困り事がございましたら、ぜひ東亜化成にご相談ください。


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