工場の床の滑り止め対策はできていますか? 転倒事故を防ぐための安全対策を紹介


皆さんこんにちは。

東京・神奈川エリアで防水工事・改修工事などを手掛けている東亜化成株式会社です。


工場において最も意識しなければならないのが、労働災害の防止です。工場はさまざまな事故が発生しやすい環境で、中でも転倒事故は非常によく発生するため、予防策を講じなければなりません。


そこでおすすめなのが、滑り止めテープやコーティング加工といった、床の滑り止め工事です。ここでは工場・製造業における事故対策の重要性や、労災事故を防ぐための方法をご紹介します。




■労働災害の現状



最初に、日本の労働災害の現状を知っておきましょう。厚生労働省の調査によると、労働災害による死亡者数や休業4日以上の死傷者数は、長期的には減少傾向にあります。昭和40年代~50年代に比べれば半分以下になっているので、安全に働ける環境が整ってきているのは間違いありません。


一方、直近の状況は若干悪化しています。休業4日以上の死傷者数は、近年増加傾向にあり、令和3年は平成10年以降で最多となりました。死亡者数も、平成29年以降は減少傾向にあったものの、令和3年は増加に転じています。


どちらの数値も新型コロナの罹患者を含んでいるため、コロナ関係を除くと死亡者は減少しており、休業4日以上の死傷者数も大幅に増えているわけではありません。ただ、労働災害の死傷者がじわじわと増えているのは確かです。これ以上の増加を防ぐためにも、改めて労働災害防止の重要性を意識し、対策を打つ必要があります。




■製造業は労災事故が多い!



あらゆる産業の中でも、工場などで製品の生産・加工を行う製造業は、非常に労災事故が多い業種です。厚生労働省の資料によると、労災事故による業種別の死傷者数は、毎年のように製造業が1位となっています。令和3年も製造業が1位でした。


また、労災による死亡者数も、建設業に次ぐ2位が定位置となっており、非常に高い状態です。労災事故が起きれば従業員の命が危険にさらされ、操業や会社の評判にも影響しかねません。製造業に関わる方は、労災事故が発生しやすい環境にあることを自覚し、他の業種以上に労災対策に力を入れなければならないのです。




■主な労災事故の種類



業務に関連して起きた事故は原則として労働災害になるため、事故の原因・種類もさまざまです。厚生労働省の資料によると、死傷者の多い労災事故は、上から順に「転倒」「墜落・転落」「動作の反動・無理な動作」「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」となっています。


特にトップである転倒事故は、他の労災事故と比べても死傷者数が非常に多いのが特徴です。墜落・転落や動作の反動・無理な動作の死傷者数はそれぞれ2万人前後ですが、転倒事故は3万人を超えています。製造業の現場においても、最も警戒しなければならない労災事故だといえるでしょう。


厚生労働省もこの状況を重く見ており、「STOP!転倒災害プロジェクト」を推進しています。このプロジェクトでは、転倒の原因を以下の3パターンに分類しています。



・滑り

床が滑りやすい状態になっていることで発生する事故です。床の素材自体が滑りやすい場合はもちろん、水や油の飛散、寒い時期の凍結、そしてビニールや紙といった滑りやすい異物が床に落ちていることなどによって引き起こされます。



・つまずき

床につまずくことで発生する事故です。床の凹凸や段差は、たとえ存在を知っていても足を引っ掛けてしまうことが珍しくありません。また、床に放置された荷物や商品などにつまずいてしまうケースもあります。



・踏み外し

段差や階段を踏み外してしまうことで発生する事故です。不注意に加え、大きな荷物を抱えているなど、足元が見えにくい状態で作業すると発生しやすくなります。


いずれも本当にちょっとしたトラブルですが、大きな事故につながる危険性があります。わずかな油断から大事故を招かないよう、常に対策をしておかなければなりません。




■工場における転倒事故を防ぐための対策



転倒事故はとても怖いものですが、しっかりと対策をしておけば防ぐことができます。安全な作業環境を作るために、工場における主な転倒事故対策を確認しておきましょう。



・床をこまめに清掃する

床が濡れていたり油汚れが飛散していたりすると、非常に滑りやすくなってしまいます。こまめに床を清掃し、清潔で滑りにくい状態を維持しましょう。特に汚れやすい箇所をリストアップして清掃ルールを決めたり、特定の時間に一斉清掃を行ったりするのも有効です。



・床材を滑りにくいものに改修する

床材自体を滑りにくいものに交換すると、転倒事故を防ぐことができます。乾いていても床がツルツル滑るような場合は、この方法を試すといいでしょう。濡れていても滑りにくい床材もありますから、業務内容に応じて床材を選ぶのがおすすめです。



・床の凹凸や段差を補修・改修する

床に凹凸や段差があるなら補修・改修し、できる限り平坦な床を作るのがおすすめです。コンクリートなどで段差を埋めるのはもちろん、床下の配管などが原因で段差が生じているなら、その移動も検討した方がいいでしょう。あわせて床の塗り分けを行い、歩行帯を明確にし、衝突事故を防ぐのも効果的です。



・防滑靴を使用する

床自体の対策に加えて防滑靴を使用すると、転倒事故のリスクをさらに減らすことができます。全従業員に防滑靴を支給するか、費用を会社が負担した上で着用を義務付けるといいでしょう。なお、靴底がすり減った防滑靴は効果がなくなってしまうため、時期を見て交換することが大切です。



・滑りやすい場所をわかりやすく示す

滑りやすい箇所がわかりやすくなっていると、その付近では注意して行動しやすくなり、転倒事故防止につながります。掲示板で注意喚起したり、現場にマークをつけたりしておきましょう。




■転倒防止には床の滑り止め工事が有効です!



床を滑りにくくするための工事は、床材の改修工事だけではありません。他にもいろいろな方法があり、現在の床材を残したまま床を滑りにくくすることも可能です。主な滑り止め工事の方法をご紹介します。



・滑り止めテープ

最も実施しやすいのが、床に滑り止めテープを貼る方法です。施工が簡単なのに加え、ポイントを絞って滑り止め対策ができます。水回り用や屋外用があり、カラーバリエーションも豊富なので、床の色や使用する場所の環境に合わせて選ぶことが可能です。ただし、時間が経過すると剥がれてきてしまいます。



・コーティング加工

滑り止め効果のあるコーティング剤を床に塗布する方法です。透明なコーティング剤を使用すれば、現在の床の色はそのままに滑り止め効果を持たせることができます。コーティング剤は液状なので細かい場所にも施工できますし、床の塗装(塗り直し)などとあわせて施工できるのも魅力です。現在の床に大きな破損がない場合に適しています。



・塗床工事

防滑性のある塗床材を塗布する工事です。床全体を塗床材で塗り固めるので、滑りにくくなるのはもちろん高い強度を発揮し、重量のある台車や車の通行にも耐えられます。防水・耐熱・耐薬品・防カビ機能などを備えた塗床材もあり、転倒事故防止に加えて床の性能を大きく高められるのが魅力です。


高品質な施工のためには、事前に下地を補修する必要がありますが、床の劣化・破損が激しいならどのみち補修しなければなりません。床の劣化が目立つようなら、補修工事も兼ねて塗床工事を行うのがおすすめです。もちろん、工場のリニューアルや新設の際にも適しています。


なお、広範囲の塗床工事やコーティング加工を行う時は、しばらく工場を止めなければならないケースもあります。しかし、使用する材料や施工方法によっては、施工時間をできる限り短くし、操業への影響を最小限に抑えることも可能です。まずは施工会社に相談してみてください。




■床の滑り止め工事は事故防止以外にもメリット多数


工場の床を滑りにくくすると、転倒事故を防止できるだけでなく、他にもいろいろなメリットが得られます。主なメリットを挙げてみましょう。



・安心して作業ができ、作業効率がアップする

滑りやすい床や段差の多い床というのは、非常に作業しづらいものです。常に転倒しないよう注意しなければならないので、たとえ転倒事故につながらなかったとしても、作業効率が落ちるのは間違いありません。従業員のモチベーションも低下させてしまうでしょう。


その点、滑り止め工事によって滑りにくい床を作っておけば、安心して作業できるようになります。工場の生産性を高めたい時は、床の転倒防止対策に目を向けるのがおすすめです。



・バリアフリー対策になり、会社のイメージアップになる

床の滑り止め工事は、いわゆるバリアフリー対策の一種でもあります。滑りにくい床は、足腰の衰えた高齢者や、体の不自由な方でも通行・作業しやすいからです。


近年の日本は高齢化が進み、工場の作業員にも高齢の方が珍しくなくなりました。また、企業の規模によっては障害者の雇用義務もありますし、従業員でなくとも高齢の方・体の不自由な方が出入りする可能性はあります。床の滑り止め対策をしておけば、こういった方々の受け入れ体制を整えている会社として、イメージアップになるでしょう。




■工場のお困りごとは東亜化成にご相談ください!



工場内での転倒は、思わぬ事故や怪我につながります。あらゆる工場において滑り止め対策は必須で、特に水濡れや油の飛散によって滑りやすくなっている工場では、重点的に対策しなければなりません。工場の環境や床の状態などを考慮し、適切な滑り止め対策を施して、安全な労働環境を作りましょう。


東亜化成は東京を拠点とし、多様な防水工事・改修工事に携わっている会社です。床の滑り止め対策やシート防水、シーリング工事をはじめ、一般住宅の雨漏り補修から工場の大規模修繕まで、どのような現場の工事にも対応できます。昭和33年から60年以上にわたって、安定した活動を続けてきました。


仕事においてはお客様第一の姿勢を貫き、お客様の満足度を何よりも大切にしております。防水工事・改修工事のプロとして、妥協は一切いたしません。長い業歴で培ってきた技術力により、見た目・機能性・効率性など、あらゆる面にこだわった施工を提供いたします。現地調査に基づき、お客様に寄り添った施工プランを策定し、ご依頼箇所以外にも問題が発見されれば都度補修をご提案できるのが強みです。


現在は関東エリアにおける大手電力会社の発電所の案件が中心ですが、その他のエリア・施設の工事にも幅広く対応しております。「建物の床が滑りやすい」「雨漏りが発生している」といったお悩みがある時や、事故が発生する前に安全対策工事を行いたい時は、東亜化成までお気軽にご相談ください。